Escrow

[ソース]

Escrow Amendmentが必要です。)

Escrowオブジェクトタイプは、実行または取り消しを待機している保留中のXRP支払を表します。EscrowCreateトランザクションはレジャーにEscrowオブジェクトを作成します。EscrowFinishトランザクションまたはEscrowCancelトランザクションが正常に完了すると、オブジェクトが削除されます。Escrowオブジェクトに Crypto-condition が指定されている場合、支払が成功するのは、EscrowFinishトランザクションに指定された対応する フルフィルメント がその条件を満たす場合だけです。(サポートされている唯一のCrypto-conditionタイプはPREIMAGE-SHA-256 です。)EscrowオブジェクトにFinishAfter時刻が指定されている場合、保留中の支払はその時刻の経過後にのみ実行されます。

Escrowオブジェクトには次の2つのアドレスが関連付けられています。

  • Escrowオブジェクトの作成時にXRPを供給する所有者。保留中の支払が取り消されると、XRPは所有者に返金されます。
  • 保留中の支払が成功するとXRPが支払われる宛先。宛先は所有者と同じにできます。

Escrow JSONの例

{
   "Account": "rf1BiGeXwwQoi8Z2ueFYTEXSwuJYfV2Jpn",
   "Amount": "10000",
   "CancelAfter": 545440232,
   "Condition": "A0258020A82A88B2DF843A54F58772E4A3861866ECDB4157645DD9AE528C1D3AEEDABAB6810120",
   "Destination": "ra5nK24KXen9AHvsdFTKHSANinZseWnPcX",
   "DestinationTag": 23480,
   "FinishAfter": 545354132,
   "Flags": 0,
   "LedgerEntryType": "Escrow",
   "OwnerNode": "0000000000000000",
   "DestinationNode": "0000000000000000",
   "PreviousTxnID": "C44F2EB84196B9AD820313DBEBA6316A15C9A2D35787579ED172B87A30131DA7",
   "PreviousTxnLgrSeq": 28991004,
   "SourceTag": 11747,
   "index": "DC5F3851D8A1AB622F957761E5963BC5BD439D5C24AC6AD7AC4523F0640244AC"
}

Escrowフィールド

Escrowオブジェクトのフィールドは次のとおりです。

名前 JSONの型 内部の型 説明
LedgerEntryType 文字列 UInt16 0x0075が文字列Escrowにマッピングされている場合は、このオブジェクトがEscrowオブジェクトであることを示します。
Account 文字列 AccountID この保留中の支払の所有者(送金元)のアドレス。これはXRPを供給し、保留中の支払が取り消された場合にXRPが返金されるアカウントです。
Destination 文字列 AccountID 保留中の支払が成功するとXRPが支払われる宛先アドレス。
Amount 文字列 Amount 保留中の支払から送金されるXRPの額(drop単位)。
Condition 文字列 VariableLength (省略可) PREIMAGE-SHA-256 Crypto-condition (16進数)。指定されている場合、EscrowFinishトランザクションにこの条件を満たすフルフィルメントが含まれている必要があります。
CancelAfter 数値 UInt32 (省略可) このフィールドがあり、 かつ 指定されている時刻を経過している場合にのみ、保留中の支払を取り消すことができます。具体的には、これはRippleエポック以降の経過秒数として指定され、前の検証済みレジャーの閉鎖時刻よりも早い場合に「経過した」ことになります。
FinishAfter 数値 UInt32 (省略可) Rippleエポック以降の経過秒数で示される時刻が経過した後、保留中の支払を完了できます。この時刻より前のEscrowFinishトランザクションはすべて失敗します。(特にこれは、前の検証済みレジャーの閉鎖時刻と比較されます。)
Flags 数値 UInt32 ブールフラグのビットマップ。Escrowタイプにはフラグが定義されていないため、この値は常に0です。
SourceTag 数値 UInt32 (省略可) この保留中の支払の支払元(所有者のアドレスにホスティングされている受取人など)を詳しく指定するための任意のタグ。
DestinationTag 数値 UInt32 (省略可) この保留中の支払の宛先(宛先アドレスにホスティングされている受取人など)を詳しく指定するための任意のタグ。
OwnerNode 文字列 UInt64 所有者のディレクトリが複数ページで構成されている場合に、このオブジェクトにリンクしているページを示すヒントです。注記: このオブジェクトには、オブジェクトを含む所有者ディレクトリへの直接リンクは含まれていません。これは、その値をAccountから取得できるためです。
DestinationNode 文字列 UInt64 (省略可) 宛先の所有者ディレクトリが複数ページで構成されている場合に、このオブジェクトにリンクしているページを示すヒントです。fix1523 Amendmentを有効にする前に作成されたEscrowでは省略されています。
PreviousTxnID 文字列 Hash256 最後にこのオブジェクトを変更したトランザクションの識別用ハッシュ。
PreviousTxnLgrSeq 数値 UInt32 最後にこのオブジェクトを変更したトランザクションが記録されたレジャーインデックス

Escrow IDのフォーマット

EscrowオブジェクトのIDは、以下の値がこの順序で連結されているSHA-512ハーフです。